人生の転換点

「退職」という人生の転換

今年はそこそこ大きな「退職」という人生の転換の選択をしました。

一生使わないと思っていたサラリーマンの最終兵器「退職届」をついに使ってしまいました。(話が変わりますが退職届がダイソーで売っていてびっくりしましたw)

私が働いていたのはとある金融機関の職場です。

働きはじめの20代の頃はアットホームだったのですが、近年ではだんだんと状況が厳しくなり様相が変化していきました。

基本的に困っている人や企業を助けるという基本業務については終始ずっと好きでした。

ただ、マイナス金利の影響か、どこの金融機関もそうですが、本業利益はどんどん出せなくなってきて、手数料収入が注目されるようになり、提携商品のノルマが増加、本業の営業自体も目標がかなり高い設定になってきていました。

事業再生の様なややこしくて時間が掛かるものは上から嫌われ簡単な保証付の融資を目指す様な圧力が掛かって来ました。

簡単なものは他の金融機関と差異が出せず金利の優位性も無いため、飛び込み営業、お願い営業、夜遅く迄の残業が横行、成績が悪い人は詰められ続けるという金融機関の悪い見本の様な暗い雰囲気にあちらこちらの店舗が陥っている感じがしていました。

嘆き退職する若手や中堅も増加していると感じていました。

本部と現場の意思疎通も、どんどん困難になっていき現場側からの意見は「批判」と取られる様に。

様々な業務を少ない人数で研修も無くいきなり回す為、事務ミス発生やトラブルも増加傾向に。

自分自身にも雑な人事異動命令が下り(自分にはそう思えたw)1年間で3箇所のあちらこちらの穴埋め的なスポットでの異動命令を受けました。

人事は自分で動かせない部分なので自分で動かせる仕事の部分をなんとかしようとそれぞれに懸命にこなしました。

ただ悪いことばかりでなく、未経験の分野でも50過ぎのオジサンが頑張れば新しく仕事を覚えてこなせるというのが結構な自信と財産になって辞めてもなんとかなるかもしれないと思うきっかけにもなりました。

最後に在籍した部署では、部署の人間達で力を合わせ成果を上げたにも関わらず、よくある半沢直樹みたいな「部下の手柄は上司のもの、上司のミスは部下のもの」の様な対応を受けめっきりテンションが下がってしまいました。

この先、職場にいても良いことがなさそうだなと薄々感じるようになりました。

仲が良かった近くの地銀の支店長がそろそろ私、出向ですよ、、、、と残念にそうに語っていた数年前のアノ感じがついに自分の身に迫ってきた気がしました。

そんな中で今年の夏、障害を持つ息子が大きな手術をして4ヶ月程度、遠方の病院に入院することになりました。妻も病院の近くに泊まり込みをしてサポートをすることに。そんな最中にまたしても異動命令を受けました。

悪いことに今回の異動先は、かなり帰宅時間が遅くなる(もちろん残業代は出ない)うえに、様々な悪い要因が絡み、メンタルを崩す人間も多い部署でした。

息子の手術が成功しないと歩行が困難になり、より一層のサポートが必要になる事、上手く行ったとしてもしばらくは歩けないのでやはり今まで以上のサポートが必要になる事、入院中の対応を妻だけに任せるのは難しそうな事でかなり悩みました。

家族の意見も聞いて決めようと妻に相談したところ「辞めてもいいんじゃないかな」との回答。

店舗長としても10年以上、結果として30年以上勤務した職場も最後はあっけないもんで今年の夏に長く勤めた金融機関を退職しました。

退職してからは息子の病院に通う毎日でした。

「無職」という肩書がなかなか響いて今、事故したり事件に巻き込まれるとニュースで「無職」って報道されるんだなと思うとちょっとズシンと来たりしました。

時間はあるのになにかいろいろと悩んであまり釣りに行ったりもせずに、今思うとちょっと勿体なかったかなとも思いますw

その後、息子の手術は無事に成功、しばらくは歩けませんでしたが、装具が出来てきてから、歩行も徐々に可能になりました。

装具を装着しないと歩行できないので、風呂は退院してから毎日一緒に入っています。これは退職したおかげですね。

年末の診察で、装具を外して風呂まで歩く(サポートしながら)ことも、医師からOKしてもらえたので良い方向に行っている感じです。

意図せず50代で早期退職し疑似FIREみたいな状態になった(経済的自立はしてませんけどw)私の数ヶ月間でしたが、最後の方は家に籠もりすぎて人との関わりが無さすぎで「また働いても良いかな」とようやく思えるようになりました。

たぶん経済的自立を達成したとしても、家に籠もるよりは少しでも人と関わったり親切にしたりしている人生のほうが結果として幸せになれるのかもしれないな、、、、なんてことをこの数ヶ月間の経験で感じました。

もちろんそれが心を壊すような関係性なら関わらない方が全然ましですけどね。

暇な中で「金融機関を早期退職した退職金がこんなに減ってしまった」みたいなyoutubeを見て焦ったり焦らなかったりもしましたw

植田ショックで市場が動揺している時期で悩みましたが、退職金と今までの貯蓄の多くを退職を機に楽天証券でS&P500中心のインデックスでタイミングを見て投入していく事にしました。

ただタイミングを見て投入するつもりが、肝心のタイミングが全くわからない、、、、w

「ちょい下がりしたときはPCやスマホで楽天証券を開かず数値を見ないようにして死んだふりをする」という必殺技を駆使してなんとか現状プラス維持となっていますがこれ一本で生きてくのは難しそうですね。

狼狽したりして下手な売り買いをするのはしないほうが得策な気がしますw

50歳を過ぎてもう働き先は無いかもと思っていた矢先、運良く新しい堅実な業績の職場にも巡り合うことが出来ました。

転職サイトでの応募はお断りが多く転職活動中はメンタルが崩壊しかけましたね😅

現職は営業数字のノルマが無い、新鮮な世界です。

出来る範囲で事務の仕事を一生懸命頑張っていますw

でも本当に周囲の人が暖かく接してくれて、仕事をしていて楽しいと思える環境です。

給料は下がりましたが、下がった金額でも生活は出来るし、別段困らないという事にも気が付きました。

自分で動かせないもやもやする固定要素が減ったことにより様々な悩みがなくなり、結果として心に平和が訪れ、人生のクオリティはむしろ上がったのではないかと感じています。

自宅からの通勤は少し遠くなり、車通勤となりました。

元々運転は好きなので、道中に音楽を聞いたりラジオを聞いたりyoutube(音声のみ)を聞いたりして楽しみながら通っています。

もちろん仕事をしてればこれから嫌なこともチラホラ出てくるでしょうし、人間関係で予想外の関係悪化等があるかもしれません。

まぁ最悪、また無職になる可能性もあるかもしれませんが、その時はその時で人生を楽しもうと思います。

そんなわけでサラリーマンが使える最終兵器「退職届」って奴を今年ついに使ってしまいましたが、結果としてはオーライな感じです。

50歳からの残り少ない(かもしれない)人生で、嫌な道に留まることを拒否して選んだ道が正解になる様にこれから(出来る範囲で)頑張っていこうと思います。

退職直後はガンダムでアムロ・レイがランバ・ラルとの戦いの中、残り数発しか撃てないビームライフルを潔く捨てた心境でしたね。

身体が健康で楽しく周囲の人に関われる環境なら人は幸せって思えるんだろうなと今は感じています。

去年の上着のポケットに迷いは置いてきたんだ

今日からまた新しい「私」が始まる

ってミスチル歌詞の様な気持ちで頑張ってまいります。